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解 説 |
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■判 決: 大阪地裁平成13年2月26日判決
●商 品: ワラント
●業 者: 国際証券
●違法要素: 説明義務違反、適合性原則違反、過当取引
●認容金額: 368万3989円
●過失相殺: なし
●掲 載 誌: セレクト17・632頁
●審級関係:事案は、平成5年まで30年間、都市銀行に勤務していた投資家が、平成5年7月から同7年4月までのワラント購入(12銘柄・34回)につき、説明義務違反、断定的判断の提供、適合性原則違反、過当取引を主張して約1900万円の賠償を求めたものである(訴訟係属中に投資家は死亡したため、妻子が受継している)。
判決は、ワラント一般についての説明義務違反、適合性原則違反を否定し、断定的判断の提供も否定した。しかし、ナンピンとして行われた著しく低価格(1ポイント台〜5ポイント台)にして残存期限も1年強の3銘柄・6回のワラント(判決は「屑ワラント」と述べている)取引についてだけは、理解し難い取引であって説明と了解があったとは認められないとして、説明義務違反による不法行為が成立するとした。また、これら屑ワラントの取引については、過当売買、適合性原則違反も認められるとした。なお、過失相殺は主張されていなかったようで、判示されていない。
マイナスパリティの劣悪ワラントについてはワラント取引における一般的注意義務以上に高度な注意義務が生じるとのこれまでの判例(大阪高裁平成9年6月24日判決、同平成12年8月24日判決など)の考え方を踏襲した判決とも言え、過失相殺が行われていない点も評価できる。しかし、投資家の死亡のため本人尋問ができなかったという投資家側に不利な事情があったにせよ、ほとんどが劣悪ワラントであったにもかかわらず、極端な「屑ワラント」についてしか証券会社の責任を認めなかった点には、多大の疑問が残る。