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解    説

■判  決: 大阪高裁平成18年3月30日判決

●商  品: 投資信託、株式
●業  者: 日本アジア証券(旧商号・丸宏大華証券)
●違法要素: その他(危険連絡義務違反)
●認容金額: 1789万5691円
●過失相殺: なし・8割(投資信託)、4割(株式)
●掲 載 誌: セレクト27・147頁
●審級関係: 大阪地裁平成17年6月1日判決の控訴審判決


 3つの投資信託と、その時価の下落による損失の回復を図るために行われた株式取引について、投資家と担当社員の間の「下限10%」という話を前提に、10%を超えて下落する危険が生じた場合の危険連絡義務を肯定し、その違反による不法行為を認めた大阪地裁平成17年6月1日判決の控訴審判決である。
 本判決は、危険連絡義務の存在とその違反、損害との因果関係、過失相殺、といったいずれの論点についても、一審判決の判断を維持した(10%を超える下落の後に危険連絡が行われ、そのまま保有が続けられたために拡大した投資信託の損害についても、一審判決と同様に、危険連絡義務違反との相当因果関係はあるとされ、その一方でこの損害部分については8割の過失相殺が行われた)。但し、株式取引につき、危険連絡義務違反の対象となる銘柄が4銘柄から2銘柄に減じられたため、認容された損害額は一審判決より若干減少している。