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解    説

■判  決: 大阪地裁平成12年4月24日判決

●商  品: 株式(信用取引)
●業  者: 太平洋証券
●違法要素: その他(無意味な反復売買)
●認容金額: 262万9238円(一部認容)
●過失相殺: なし
●掲 載 誌: セレクト17・43頁
●審級関係: 

 判決によれば、原告は、不動産仲介業を営む会社の代表取締役であったが、証券取引経験はなかった。ところが、平成10年4月に資産として銀行の株を購入するために被告会社で初めての証券取引を開始したところ、6月には信用取引を開始することとなった。
 その後、多額の損失が生じ、説明義務違反や断定的判断、無断売買、無意味な反復売買を理由とする本件損害賠償請求訴訟が提起された。
 判決は、不動産仲介会社の代表取締役であるという原告の属性を偏重し、説明義務違反等の主張を排斥した。しかし、同一銘柄につき指値の売却注文が継続している中で繰り返された買付や、その翌日に上記売却注文による売却が成立した際の買い直しにつき、いわゆる両建をしたのと大差なく、原告の信用取引の目的が簡便に取引をすることにあって積極的取引をすることでなかったことから、かかる買増しは手数料がかかるだけで意味がなく、「無意味な反復売買というほかなく違法である」とした
 かような無意味な反復売買に関する判示内容からすれば、説明義務違反等についても慎重な検討が行われるべきであったと思われ、取引経験や知識、意向とは異なる一般的属性のみを重視して原告の他の主張を排斥した点には大いに疑問が残る。しかしながら、商品先物取引被害において定着・発展してきた違法要素である無意味な反復売買が、初めて証券取引について認められた点においては、極めて注目すべき判決であると言える。
 なお、認容された「無意味な反復売買」についての損害に関しては、過失相殺は行われていない。