[検索フォーム]
解    説

■判  決: 名古屋高裁平成11年9月16日判決

●商  品: 株式、ワラント
●業  者: 日興證券
●違法要素: 無断売買(株式)、断定的判断の提供(ワラント)
●認容金額: 合計2157万3959円(会社と代表者・他に預託株券の返還も認容)
●過失相殺: 5割(ワラント・断定的判断の関係)
●掲 載 誌: セレクト14・73頁
●審級関係: 高裁逆転勝訴

 原判決は、ワラントにつき説明義務違反を否定し、断定的な言辞を用いた勧誘を認定しつつ投資家の取引経験を偏重して請求を排斥した。株式の無断売買を理由とする預託株式返還請求についても、常識に反した事実認定によりこれを排斥した。
 これに対して本判決は、ワラントの説明義務違反は原判決同様否定しつつも、幹事会社による買い支えなど、インサイダー情報と称して具体的かつ詳細な断定的言辞を用いた勧誘が行われたことを認め、かような勧誘を受ければ相当の取引経験を有する者であっても投資判断を歪められることが明らかであるとした
 また、株式の無断売買に関しても、常識的な認定により無断売買の事実を認めた上、預託されていた株の価格下落は預託株式の返還遅滞による債務不履行と相当因果関係ある損害であるとした。